離婚と部屋探し|ひとり親・シングルマザーの知っておきたい知識|【足立区】竹ノ塚・西新井の賃貸専門店

本記事は、離婚して子育てをしなければならない、ひとり親の方向けに作成致しました。

収入や生活環境が大きく変化する離婚は、通常のお部屋探しとは異なります。

ご一読頂き、納得できるお部屋探しのお力になれれば幸いです。

 

1.部屋探しは慎重に

まずは「なるべく早く引越したい」「直ぐにでも引越したい」という感情を押さえ、落ち着いて部屋探しをすることが大切です。住まいは生活の基盤となるものですから、焦って決めるのは厳禁。

検討すべき事はたくさんありますが、少なくとも下記点を良く考えてから部屋探しを始めた方が良いでしょう。

■今後の生活費・養育費はどうするのか

■引越し費用はどうするのか

■家電・家具類はどちらが持っていくのか

■今の住まいと同地域で探すのか(転校させたくない等)

■転居先自治体のひとり親手当・助成はどうなっているか

■協力してもらえる身内はいるのか(生活や子育ての援助)

 

引越しには、【部屋を探す】【審査・契約】【引越しの準備】など、時間がかかります。

仕事やお子様がいる場合など、どうしても時間の制限を受ける為、引越し時期は余裕を持って決めましょう。

 

※※暴力や虐待など生命・身体への危険がある場合は別です。すみやかに行政等の力を借りて安全を確保しなければなりません。

足立区の相談窓口はこちらです。

 ■区民参画推進課 男女共同参画推進係(男女参画プラザ)
  電話番号:03(3880)5222

 

2.収入の確保

離婚に伴う部屋探しの場合、収入が入居審査の重要ポイントになってきます。

無職・無収入では部屋を借りる事は困難です。

 

収入例

  • 仕事からの収入(正社員・派遣・パート勤務等)
  • 児童扶養手当・児童育成手当など行政からの手当
  • 養育費
  • 年金等
  • 親兄弟からの金銭的な援助
  • 生活保護

 

現在無職で「これから働く」「これから探す」というケースがありますが、見込額であったとしても、きちんと説明できる事が重要です。

「時給○○円で、一日○時間、週に○回、働くので、月に○○円の収入を見込んでいる」と説明できれば、見込額であっても与える印象が違います。

 

3.部屋探しの優先順位

金銭的・経済的に余裕がない場合、希望通りの住居に住む事は困難です。

つまり、希望や条件に優先順位を付け、低いものは諦める事が必要になります。

①家賃(管理費・駐車場料金など含む)

経済的に余裕がない場合、最も重要なのが家賃設定です。

毎月の家賃は、病気で仕事を休もうが、急な出費が重なろうが、必ず支払わなければなりません。

だからこそ家賃設定は慎重に。

食費、水道光熱費、携帯電話などの通信費、保険、学費や給食費…等々、月々の支払うべき金額を見積もり、そこから支払い可能な家賃を算出します。

実際に毎月の支出を計算してみてはいかがでしょう

食費 日用雑費
水道光熱費 交通費
通信費 医療費
教育費 被服美容費
保険 教養娯楽費
交際費 税金・その他

 

 

②間取り・設備

家賃を抑えた場合、部屋の造りや設備は妥協せざるを得ない点がでてきます。

皆様からご意見の多い点をピックアップしてみました。

 

■和室は好まない

昨今の新しい物件は全室洋間が標準になってきていますが、築年数によってはまだまだ和室のある物件も多数存在します。

【対策例】畳の上にフローリングマットやカーペットなどを敷く事で簡易的に洋室として使用する。

 

■脱衣場がない

年頃のお子様がいらっしゃったりする場合、家族とはいえプライバシーの確保は思案どころです。

【対策案】貸主に、天井にカーテンレールを設置してもらい簡易の脱衣スペースを設ける。

 

■独立洗面台が無い(浴室の中に洗面台がある)

独立洗面台に慣れている場合、湯船の横の洗面台は、浴室の床が濡れている等、使い勝手が悪く感じます。

【対策案】浴室用スリッパを置く。

 

■洗濯機置場が室外

洗濯機置場がベランダにある物件は多数存在します。洗濯機が汚れる、振動・音が心配、といったご意見が多く聞かれます。

【対策案】洗濯機用のカバーをかける。タイマー等を活用し、使用する時間帯に配慮する。

 

■追い炊き給湯

「追い炊き」とはお風呂のお湯を給湯機に循環させ、沸かしなおす事をいいます。お風呂に入る時間帯が別々の場合などに重宝しますが、追い炊き給湯付きの物件には限りがあり、また家賃が高くなる傾向にあります。

【対策案】追い炊き機能がなくとも、高温の「さし湯」「たし湯」をすることでお湯の温度を上げる事ができます。この場合、熱いお湯を足すので湯量が増え、水道代がかかる為、残り湯を「体を流す」「洗濯に使う」など無駄なく使う事で、追い炊きに近い効果を得る事ができます。

 

■都市ガスとプロパンガス

都市ガスを希望する理由は「プロパンガスは高いから」という理由がほとんどです。プロパンガスは供給会社によって単価が異なりますので一概には言えませんが、都市ガスと比較して1.5倍~1.7倍ぐらい割高だといわれています。

【対策案】「プロパンガスはダメ」と最初から切り捨てない、ネット検索で都市ガス限定にしない事です。何故かと申しますと、プロパンガス物件の中には、家賃を抑え目にしてある物件が中にはあり、そういった好条件の物件が目に留まらなくなってしまうからです。

重要なのは月々のトータルの支出です。プロパンガスであっても家賃が抑え目であれば検討する価値があるのではないでしょうか。

 

■築年数

一般的に、新築・築浅物件の方が美観・設備共に優れていますが家賃は高くなります。築年数が経つにつれ、家賃は下がってきますが、リフォームをすることで室内を綺麗にしたり、設備を新しいものに交換したりと快適性を高めた物件もありますから、築年数にこだわり過ぎない事も大切です。

 

■場所

「最寄駅からの距離」「保育園までの距離」「身内宅(親兄弟など)までの距離」「勤務先までの距離」など、探すエリアの決定には複数の要素があります。

 

【エリア決定の要素】

最寄駅までの距離…通勤・通学で電車を利用する場合、駅からの距離は重要になってきます。原則的に、駅に近ければ家賃は高くなり、駅から離れれば家賃は抑え目になります。

距離の表記は1分80mでして、800mであれば徒歩10分という計算になります。歩くペースがゆっくりな女性やお子様は1~2分加算した数値を目安にするとよいでしょう。駅からの距離が離れる場合は、駅前駐輪場の位置や料金、バス停の位置・時刻表などの確認も重要です。不動産業者であれば把握していますので、わからない場合は遠慮なく聞きましょう。

 

身内宅(親兄弟など)までの距離…子供を実家に預けて仕事に行く、下校後は実家で過ごさせる、など実家近くで探すケースはよくあります。

保育園・勤務先までの距離…「子供を保育園に預けて自転車で職場に行く」といった場合、住まいとの位置関係は重要です。

小学校・中学校までの距離…「友達がいるから」「卒業が近いから」転校させたくない場合、学校までの距離が重要です。特に小学校低学年の内は事故等の心配がありますので、近い範囲で探す傾向があります。卒業後、電車通学になる場合、駅までの距離も考慮する必要があります。

 

 

 

お子様がいる場合、2K・2DKなどファミリー向けの間取りをお勧めします。

理由は1R・1Kなどの単身者向けの物件より、ファミリー向けの方が子供に対して理解を得られやすいからです。

4.入居時の費用

契約に際し、敷金・礼金・仲介手数料といった費用がかかります。

  • 敷金…部屋を退去するときの原状回復費用として、入居前にあらかじめ貸主に預け入れるお金。目安は家賃1ヶ月分。
  • 礼金…文字通り貸主に「お礼」として支払うお金。契約を解約しても返金されません。目安は家賃1ヵ月分。
  • 仲介手数料…部屋の仲介をした不動産業者に支払う手数料。家賃1ヵ月分+消費税が上限。
  • 前家賃…入居する月の賃料。月の途中の場合、通常は日割計算となる。
  • 火災・家財保険…15,000円~25,000円(2年分)
  • 保証料…賃貸保証会社に支払う保証料。家賃・管理費等合計の30%~100%が初回保証料。
  • その他…物件によって、消毒代、会員費、サポート代などの費用がかかる場合があります。

 

入居時の費用は申込前にしっかりと確認しておき、不明な点がある場合は遠慮なく質問し、納得してから申込・契約の手続きに進みましょう。

 

5.申込・審査・必要書類

条件に合う部屋が見つかれば、申込手続きに進みます。当たり前の事ですが、ありのままの事実を記入しましょう。虚偽が発覚すると厳しい結果となります。

保証会社を利用する場合は、保証会社の審査があります。前もって準備をしておくことで、スムーズに審査が進み、時間的ロスも少なくなります。

尚、過去に債務整理や自己破産、家賃滞納があった場合、審査に支障が出る事もあります。審査をパスしなければ入居できませんので、早い段階で不動産会社に申し出た方が結果的に時間を無駄にしません。

 

 準備・持参しておいた方がよい事

(在職している場合)直近の源泉徴収票、直近3~4カ月分の給与明細

(これから就職する場合)内定証明書など

(身分証明書)免許証・健康保険証

(その他)連帯保証人になってもらえる人の確保(一般的に身内・肉親の方)

 

■終わりに

離婚に伴う部屋探しは、今後の収入や生活環境が大きく変化する為、皆さま、抑え目の家賃設定にされるケースがほとんどです。また「実家近く」や「転校させたくない」といった限定された地域で探すことが多い傾向にあります。

 

そうなると中々希望通りの物件に巡り合うことができません。そのような好条件な物件は極めて少ない、もしくは存在しないからです。この事に気付いてからが本当の部屋探しのスタートラインについたといえるでしょう。

 

「今回は何を優先しなければいけないのか」

 

妥協ばかりで、楽しみのないお部屋探しになるかもしれません。

しかし、引越しをしなければいけない以上、行動を起こすしかありません。

 

賃貸は自宅購入と異なり、ずっとそこに住み続けるわけではないのです。

「今だけは仕方がないか」と割り切る事も大切なのです。

 

この記事が皆様のお部屋探しの一助になれば幸いです。